自主経営の組織編

セルメスタ「自主経営の“土台づくり”その③-組織は生き物を体感-」

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本シリーズでは、株式会社セルメスタの自主経営の“土台づくり”の軌跡をレポートとしてまとめ、読者の皆さまに、セルメスタのリアルな現場をお伝えできればと思っています。

初回では、「セルメスタが自主経営を志した背景」をお伝えしました。その上で、実際の現場での、“土台づくり”の様子をお届けしてきました。今回は、目的地図をさらにアップデートして、組織の構造に関するミーティング(ガバナンスミーティング)を行います。ミーティングでは、組織の目的実現のための役割の見直しを行います。

1.目的地図をアップデート
2.ガバナンスミーティングを本格的に体験
3.タクティカルミーティングの振り返り体験

1.目的地図をアップデート 

1-1.理想を実現するための役割(ロール)とは?

熊倉:「前回、全体に関わるインフラの目的地図と事業に関する目的地図の2種類あるという話をしましたが、事業に関する目的地図を話せていませんでした。また、インフラの目的地図の中で、私と藤谷さんの役割が被っているところはどうしたらいいのとか、関根さんと被っているところはどうしたらいいのか、と思っているので、その点についても議論していけたらと思います」

関根:「『じゅんかん』いつも整理がつかなくなるのが、現状ではグループがありますが、グループというものを取っ払って作った方がいいのか、グループというものありきで考えればいいのかということは考えたいです。他のグループが入ってくると、相当ややこしくなるような気がします。ティール組織にしていく中で、組織像が複雑になって分かりづらくなってしまっているような気がするんです」

1-2.組織の目的を実現するための目的地図

熊倉:「現状の組織図を持ったまま、あるべき姿を議論しているので、混乱してしまうのは当然ですね。この混乱も是非受け入れてほしいなと思っています。それを吉原さん流の言葉で言うと、ガバナンスミーティングを何回もやって、細かい調整を何度もやることになるのでしょう、と。私がこの目的地図を考えた意図としては、最初に経営理念をどうやって実現できるかです。また、目的地図は見易さ分かりやすさのためにインフラと事業で分けました。

さらにブレイクダウンするときに、関根さん、藤谷さんには、こう動いているのかな、という想像で書きました。現状の組織図を念頭に目的地図を作成していないのです。私の勝手な想像なので混乱するのは当然ですね」

吉原:「そうですね。現状の組織図についての整合性は一旦置いておいて頂いけるとわかりやすいと思います。ただ、被っているロールが存在するのは、非効率になってしまうので、そこは考え直したいです」

1-3.「ロールは目的と継続的に取り組む仕事内容(アカウンタビリティ)」から成る

関根:「『じゅんかん』ロールには責任があると思うのですが、責任を明確にするのって難しいと感じています」

吉原:「ロールが持っているのは、責任ではなく、ロールの目的と目的を実現するための継続的に取り組む仕事内容(アカウンタビリティ)です。責任という言葉には、使う方によって様々な意味があると思うので、アカウンタビリティという言葉を使っています」

吉原:「例えば、世間一般のコールセンターの仕事はロールが被るということがあると思います。同じロールにコールセンターのスタッフ100人がアサインされているということがあり得ると思います。ただ、今回の熊倉さん、関根さん、藤谷さんの3名でロールが被っていることはないかと思います」

関根:「『じゅんかん』。ロールが何を持っているのか、もう一度お聞きして良いですか?」

吉原:「ロールが持っているものは、目的とアカウンタビリティです」

関根:「目的が被ることはありますか?」

吉原:「目的が被ってしまうと同じ役割になります。なので、ありません」

関根:「目的とアカウンタビリティというものをしっかりと分けて、同じ組織の中に入っていれば、役割はしっかりと分けられるということですよね。整理してみたいと思います。」

吉原:「そうです。必要なものは得られていますか?」

関根:「得られています。ありがとうございます」

吉原:「ここは、非常に大切なポイントで、前回もロールを作った際に被っている目的がありました。なので、きちんと精査して被っていないロールを作成することが大切です。あるロールがあって、A,B,C,Dというアカウンタビリティがあり、1つ1つにさらに業務が紐づく場合には、A,B,C,Dのアカウンタビリティを、役割にするということも選択肢としてあるかもしれません」

1-4.「仕事は人ではなくロールについている」ことへの腹落ち

関根:「ありがとうございます。『じゅんかん』です笑。また、この目的地図ですが、見たときに自分のロールをすぐに確認出来るように、人で色を分けたいと思うのですが、良いでしょうか?」

吉原:「色で分けても全然問題ないです。ただ、組織の目的を実現するという目的ベースで必要なロールは何だろう?と考えて出来た目的地図なので、仕事が属人的に戻っていってしまう可能性はあります」

関根:「なるほど。仕事がロールではなく、どんどん人に戻っていってしまうのですね。腹落ちしました

1-5.「ロールを作ったのに、自分とロールを分けて考えられない自分がいた」

熊倉:「『じゅんかん』。こうやって腹落ちしていくプロセスって大事だな、と思っています。関根さんが腹落ちしてくれたら、セルメスタの他の社員も丁寧に説明していくことで理解していってくれるんじゃないかと思います

関根:「ロールを作ったのに、自分とロールを綺麗に分けて考えられない自分がいました。ロールには目的とアカウンタビリティがあるだけですもんね。

熊倉:「私なりの目的地図を出しているので、違和感があって当たり前なんですよね。こうやって3人で議論することで、私の目的地図と言っていたものが、セルメスタ幹部の目的地図になる。そうなると、3人の目的地図になるじゃないですか。ここについてはこう思う、あぁ思うって言ってくれたことで、自分のものになると思うんです

関根:「ティール組織っていう概念がまだ自分のものにできていないのでしょうね。分かってはいるけれど、止められない。『リードリンク』って言わなきゃいけないのに、つい、社長って言っちゃうわけでしょ笑」

吉原:「それが自然です」

関根:「すぐに変えるなんて無理があるっておっしゃっていましたもんね」

吉原:「でも3ヶ月前と比べて、変化が生まれてきているように感じます。その半歩を大事にしていきたいです

1-6.目的地図のアップデートの続き

熊倉:「では次に、事業部門のところも話していきましょうか。常備薬の斡旋や郵送検診などのそれぞれの事業を目的地図に書いていかなければいけないな、と思っています。今回は、郵送検診の事業の目的地図を取り扱います」

吉原:「まず、数と単価で分けているんですね。分かりやすいですね」

熊倉:「そうですね。数を増やすにはどうすればいいか、単価をあげるにはどうすればいいかという観点で分けています。数を増やすために広告の最適化をするっていうこともある。同じ数を増やすために、営業員が得意先を獲得するやり方もある。

営業員が機能しているか確認するために営業会議をやってもいい、営業会議が客観的に運営されるために会議資料を提供している。自分たちの仕事や役割は事業のどこの部分に貢献しているか立ち位置を把握できれば、社員ひとり一人が会社とのつながりを共有できる目的地図になると思います」

関根:「『じゅんかん』先ほど、責任という言葉を止めていただいたじゃないですか。あれは良かったです。どうしても管理しようっていう気持ちになってしまう。本当にティール組織の精神を体で覚えたいなと思っています

1-7.「ロール関係なく、できる人に仕事が集まり、疲弊していくことは避けたい」

熊倉:「成果主義みたいなものを入れてしまうと、確かに頑張るんだけど、その人は疲弊してしまう。ロール関係なく、その人にお願いすればいいので。出来ないと、『なんで出来ないの?』って人に頼むようになります。応えられるときはいいけど、応えられないときもある。なので、人と仕事は分けたい。そう思っているのが原点です。仕事と人格を分けることが出来る組織にしたいです」

2.ガバナンスミーティングを本格的に体験

2-1.新しいロールの提案から、組織構造の進化が可能となる

吉原:「それでは、ガバナンスミーティングを始めます。ファシリテーター、言わば、レフリーですが、レフリーは私が担当します。今回は藤谷さんにセレクタリー(記入係)をやって頂きます」

藤谷:「了解しました」

藤谷:「セクレタリーしながらですが、『じゅんかん』があります。新しいロールを提案したいです」

吉原:「どのようなロールですか?」

藤谷:「『情報セキュリティ保護教育』というロールを作りたいです。アカウンタビリティは『年一回の個人情報保護のテキストを作成・更新している。年一回の個人情報保護のテストを実施・管理している』になります」

吉原:「この提案について、明確にしたい質問がある方はいますか?」

熊倉:「明確化したいのですが、他の教育については入っていないという理解で合っていますか?」

藤谷:「そうですね」

吉原:「他にはありませんか?それではリアクションラウンドです。この提案についての意見をお伝えしてください」

関根:「ISOの全体のスケジュールも考慮出来るようなロールにして欲しいです」

熊倉:「特にないです」

吉原:「良いと思います」

吉原:「加筆修正ラウンドです。提案者の藤谷さんは、書き換えても良いですが、書き換える義務はありません」

藤谷:「一部修正しました」

2-2.反対ラウンド(反対意見は、違った観点からの情報提供)

吉原:「反対ラウンドです。この提案について組織に損害が生まれ、目的実現に向けて後退があれば、それを場に出してください」

関根:「ISOの中には他に教育しなければいけないことがあるので、スケジュール調整について弊害が起こるかなと思います。ISOの教育で年5回も起こるので、他の教育との調整についても加筆して欲しいと思います」

吉原:「反対意見について確認していきます。この提案によって、組織に損失や後退が生まれるのかを確認していきます。損失や後退は生まれますか?」

関根:「生まれます」

吉原:「関根さんが担当している、どのロールに損失が生まれますか?」

関根:「『ISO委員会マネージメントの運営』ロールのアカウンタビリティである『教育を実施している』に対して損失が起こります。年に1回まとめて、ISOの教育をまとめたいと思っているのですが、『情報セキュリティ保護教育』ロールの中だけで、教育というものを考えると整合性の観点から不都合が起こります。そのため、『ISO委員会マネージメントの運営』ロールと調整をするというアカウンタビリティを加えて欲しいです」

吉原:「ロール間の境界が重なっているため、後退が生まれてきます。反対意見として採用となります」

【参考:『ISO委員会マネージメントの運営』ロール】

吉原:「反対ラウンドを出し切ってから統合ラウンドにいきます。関根さんの方で他に反対意見はありますか?」

関根:「ありません」

吉原:「熊倉さんの方で、反対意見はありますか?」

熊倉:「ありません」

吉原:「藤谷さんの方で、反対意見はありますか?(提案者も反対意見を出すことができます)」

藤谷:「ありません」

吉原:「私もありません(レフリーも自分で反対意見を出すことができます)」

2-3.統合案の作成へ

吉原:「反対意見を言った人が統合案を出します。反対意見を出してくれた、関根さん、どのように提案内容を修正すれば良いですか?」

関根:「アカウンタビリティに『ISO委員会マネージメントの運営』ロールと調整をするというアカウンタビリティを加えて欲しいです。もしくは、『他の教育係りと調整を行っている』と追記して欲しいです」

吉原:「加えます。ありがとうございます。これで統合案ができました。関根さん、この統合案は、反対意見を解決できていますか?」

関根:「できています」

吉原:「提案者の藤谷さん、この統合案は、依然として、最初の藤谷さんの『じゅんかん』で必要としていたものが得られる案になっていますか?」

藤谷:「いえ、『他の教育係りと調整を行っている。』というアカウンタビリティを入れるのはどうなんだろうっていうのがあります」

吉原:「と言いますと?」

藤谷:「『調整』っていうのはロールを分けたいんですよね」

関根:「例えば、『調整』を『協調』っていう言葉に変えたら伝わりますかね?」

吉原:「こういう意見が出ていますがいかがですか?」

藤谷:「『ISO委員会マネージメントの運営ロールとの協調を行っている』という文言に変更するということですかね。ただ、このロールを将来部下に渡すときに他のロールとの調整まで入ってしまうと分かりづらいかなぁと思います」

熊倉:「ちょっと『じゅんかん』があります。スケジュールが調整されていないので、社員が年に何回も教育を受ける時間を作る必要があると思います。なので、新しいロールを作りたいです」

吉原:「今、統合案の検討中なので、統合案自体への情報提供ということで大丈夫ですか?」

熊倉:「了解しました」

熊倉:「統合案として、新しいロールを、『教育スケジュール調整』として作り、ロールの目的を『ISO委員会マネージメント』と『情報セキュリティ保護教育』との教育スケジュールの調整とします。アカウンタビリティは、従業員の業務に支障がない教育スケジュールが組まれているです」

吉原:「反対意見を出してくれた関根さん、熊倉さんからの情報提供である、この統合案は、反対意見を解決できていますか?」

関根:「新しいロールが出来てしまうと、重複が出てしまうのではないですか?」

熊倉:「協調を行っているというアカウンタビリティがあることで、重複が生まれているということですね」

藤谷:「新しいロールと『情報セキュリティ保護教育』ロールのアカウンタビリティが重複しています」

吉原:「反対意見を出してくれた関根さん、どうされたいですか?」

関根:「『情報セキュリティ保護教育』というロール名を『情報セキュリティ保護運営』っていう名前にすれば、重複がなくなるかなぁ」

吉原:「提案者の藤谷さん、別の統合案が出てきました。いかがでしょうか?」

藤谷:「『情報セキュリティ保護教育』というロールを作りたいので、最初の『じゅんかん』と違ってきます」

吉原:「了解しました」

関根:「今議論する話じゃないかなというところに出ましたね。それでは、『情報セキュリティ保護教育』のアカウンタビリティは提案内容のままで、『ISO委員会マネージメントの運営』ロールでスケジュール調整のアカウンタビリティを増やすという統合案はいかがでしょう?」

吉原:「了解しました。関根さん、この統合案は、反対意見を解決できていますか?」

関根:「できています」

吉原:「提案者の藤谷さん、この統合案は、依然として、最初の藤谷さんの『じゅんかん』で必要としていたものが得られる案になっていますか?」

藤谷:「なっています」

吉原:「了解しました。それでは、統合案の検討へ移りましょう」

2-4.統合案の再提案 明確化する質問タイム、リアクションタイムへ

吉原:「統合案について、明確化したい質問はありますか?」

熊倉:「『じゅんかん』。関根さんは自分が担当している『ISO委員会マネージメントの運営』ロールのアカウンタビリティを増やして、スケジュール調整を受け取っているということですがそれで良いのですか?」

関根:「私はそれでいいんじゃないかなと思いました。誤解が解けたのかなと思いました。話し合いの中で、『情報セキュリティ保護教育』ロールでもISOの全体像を見てくれているとわかったので、問題ありません」

吉原:「統合案についてのリアクションはありますか?」

熊倉:「『情報セキュリティ保護教育』というロールのアカウンタビリティで『他のロールと協調する』っていう部分は残しておいてもよかったのかな」

関根:「近いリアクションなのですが、残してもらえるのであれば、残してもらいましょう」

吉原:「特にないです」

2-5.統合案の加筆修正と反対ラウンドへ

吉原:「提案者の藤谷さん、明確化の質問やリアクションを通じて、提案内容の加筆修正をしてもらえます。しなくても大丈夫です」

藤谷:「『情報セキュリティ保護教育』ロールのアカウンタビリティで『他のロールと協調する』っていう部分を加筆しています」

吉原:「了解しました」

吉原「それでは反対ラウンドです。この提案によって、組織に損失や後退が生まれますか?」

関根「ないです」

熊倉「ないです」

藤谷「ないです」

吉原「ないです」

吉原:「反対意見がないので、提案内容は採用されました」

(一同、拍手!)

吉原:「提案内容がこのように追加されています」

2-6.まずは役割を作ってしまう。様子を見て、「じゅんかん」があれば出せばいい

吉原:「全体のプロセスを振り返りたいと思います。ロールを一つ産むのに、リアクションラウンド、反対ラウンド、統合ラウンドを繰り返しました。このようなプロセスで、新しい提案を採用していきます」

熊倉:「損失が生まれますか?という質問が難しいな、と思いました。損失が生まれていない、とは言えないという微妙なときは、ここで結論を出さないといけないと思うと、なかなか合意が取れないこともありますね」

吉原:「一回、アクセプトしてしまう。それでうまくいかなかったら、すぐにまた変えるという姿勢を大切にしています。不都合が出ればその場で『じゅんかん』を出せます。内容の部分はいかがでしたか?」

2-7.「生き物もそうですよね。どんどん変化していく」

熊倉:「非常に面白かったです。客観視をするのは非常に難しいですね。でも客観視する視点は大切だと思います」

藤谷:「とにかくAcceptをしちゃうっていうのが面白いっていうのはありました。生き物もそうですよね。どんどん変化していく

吉原:「損失後退っていう言葉は変更した方がよいかもしれないですね。具体的な困りごとが起こる可能性がありますか?という聞き方の方が良いかもしれません」

2-8.お互いに妥協していない、ガバナンスミーティングは非常に良い

吉原:「関根さんはガバナンスミーティングの全体を通して、どうでしたか?」

関根:「こうやって気になることを全部話せたから、自分の追記したい一文が届いたのは嬉しかったです。部分最適の視点と全体最適の視点、両方の視点を出し合うと、白熱するだろうし、時間も必要になるな、と思いました。通常はどちらかが諦めるんだけど、ガバナンスミーティングでは、お互いに妥協していない。こういうのは非常に良いと思いました」

吉原:「被っているロールのアカウンタビリティを言語化するというので、今回は白熱しました。この類の『じゅんかん。』を10個くらいやるとどんどん早くなると思います」

熊倉:「このシステムにもっと磨きをかけたいと思いました」

3.タクティカルミーティングの振り返り体験

吉原:「チェックインをしましょう。今日はチェックリストレビュー、メトリックスレビュー、プロジェクトアップデートの3つを行います」

~チェックイン終わり~

3-1.チェックリスト(ロールのルーティン)レビュー

吉原:「では、今回は、藤谷さんにファシリテータをして頂きましょう。まずはチェックリストからやっていきましょう」

藤谷:「では『リードリンク』、目的地図の更新、チェックorノーチェック」

熊倉:「ノーチェック」

藤谷:「『SGマネジメント事業支援』、チェックorノーチェック」

関根:「ノーチェック」

~途中省略~

3-2.最新の指標(メトリックス)の共有タイム

藤谷:「続いて、メトリックスについて確認していきます。『フォースマネジメントグループの運営』ロール、利益の予算と実績の差額についてはいかがですか?」

関根:「利益率のところでは未達の部分があります。これはどこまで話せば良いですか?」

吉原:「数値だけで良いです」

関根:「予算に対してマイナスで推移しています。差額は●●です」

藤谷:「了解しました」

~途中省略~

吉原:「ファシリテータ、ありがとうございます。それではメトリックスとしては以上です。」

3-3.プロジェクトのベクトル合わせタイム

藤谷:「それではプロジェクトについて話していきたいと思います。進捗があればそれだけ共有しましょう」

藤谷:「健康経営についてはいかがでしょうか?」

熊倉:「変更なし」

藤谷:「システムについては?自分のプロジェクトです。なしです。」

藤谷:「新規事業開発についてはいかがですか?」

熊倉:「進捗はないです。」

藤谷:「組織開発についてはいかがですか?」

熊倉:「進捗はないです。」

~途中省略~

吉原:「それでは、今日のタクティカルミーティングの振り返りを終了したいと思います。お疲れ様でした」

ご覧頂いたように、ガバナンスミーティングでは、役職が違っても、お互いにメンバーとして『じゅんかん』を出し合い、妥協することなく、普段は議論しあうことの少ない組織の構造面についての話し合いを行うことで、組織の構造が、まるで生き物のように少しずつ変化していく様子を感じてもらえたかと思います。この変化の繰り返しを後で振り返ってみると、進化しているという体感に繋がっていきます。引き続き、セルメスタの旅路の記録を楽しんでもらえたら幸いです。

3-4.今回から次回の間での出来事

セルメスタでは、メンバーが中心となって、今回と次回の間に、タクティカルミーティングを行っていました。その際にメンバーの関根さんが、自分の『じゅんかん』に対して、『リードリンク』の熊倉さんが寄り添わずに、意見を押し付けていると、残念な気持ちとともに場に出してくれました。一同、しーんとしました。その後、『リードリンク』の熊倉さんを中心に、関根さんの話を聴いていると、熊倉さんから「せっかく、『じゅんかん』という新しい取り組みをしているのに、『リードリンク』含めて自分たちが、真剣に日常で実践しないと、ただのお題目になってしまう」という言葉が出てきました。みんなで静かに頷き、初心に返る時間となっていました。これまでのセルメスタでは、出ることのなかった声が『じゅんかん』を通じて出てきた場面でした。

次回は、「自主経営の“土台づくり”その④-ワクワクが溢れる-」となります。

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